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沖縄 -返還40周年を迎えて-

最終更新日 2012年09月13日

展示期間 : 07月から08月

展示場所 : 本館一般展示

展示全体図
太平洋戦争の後、沖縄(琉球諸島及び大東諸島)は、講和条約の一環として 1951(昭和26)年に署名されたサンフランシスコ講和条約によって、アメリカ合衆国の施政権下に置かれるものとされました。
沖縄へ行くにはパスポートとアメリカドルが必要で、沖縄では道路の右側を左ハンドルの車が通る「アメリカ世(ゆー)」時代が続いたのです。
その後、1969(昭和44)年に行われた日米首脳会談で、アメリカ軍基地を島内に維持したままの返還が決定し、1971(昭和46)年沖縄返還協定が調印され、沖縄は1972(昭和47)年5月15日に日本へ復帰しました。
しかし、現在も米軍専用施設面積の約74%が沖縄県に集中し、沖縄本島の20%が基地に占められるなど、難しい問題も残っています。
今年2012(平成24)年は沖縄が日本に復帰して40 周年にあたることから、沖縄の歴史や文化、そして沖縄戦や基地問題についての資料を紹介します。

展示関連情報

沖縄の歴史

貿易中継点「琉球国」として栄えた歴史をもつ沖縄には世界遺産「琉球王国のグスクとその関連群」があります。
ヤマトとは異なる琉球の歴史について学んでみましょう。

『本音で語る沖縄史』

仲村清司/著 新潮社 2011年
神話の時代から琉球王朝、薩摩藩の統治などを経て沖縄戦までの歴史を、琉球王朝時代を中心に描いた資料です。

『図説琉球王国』

高良倉吉・田名真之/編 河出書房新社 2002年
豊富なカラー写真で、グスク(城)の出土品や貿易の様子を描いた屏風図などと共に琉球王朝の歴史や政体を紹介した資料です。

『沖縄琉球王国ぶらぶらぁ散歩』

おおきゆうこう・田名真之/著 新潮社 2009年
沖縄各地に残る拝所やガー(井戸)といった聖地の写真紹介とともに琉球王朝の歴史をたどることのできる資料です。

沖縄の文化

小麦粉で作る沖縄そばや草の繊維で織る芭蕉布、ニシキヘビの皮を使った三線 (サンシン) など、今も沖縄には独自の文化が色濃く残り、観光客でもその一端に触れることができます。
成田にも「美ら海会」という琉球芸能愛好会があります。

『沖縄祝い事便利帳』

座間味栄議/著 むぎ社 2009年
誕生祝いから婚礼、家づくりなど沖縄の伝統的な行事のやり方、祝い料理などをイラスト豊富にわかりやすく説明した資料です。

『エイサー 沖縄の盆踊り』

宜保榮治郎/著 那覇出版社 1997年
念仏踊りに起源を発するといわれている沖縄の勇壮な踊りエイサー。その地区ごとの違いや歌詞などを研究した本です。

『沖縄染織王国へ』

與那嶺一子/著 新潮社
紅型(びんがた)に代表される鮮やかな染めや花織などの模様織物、島の植生を生かした芭蕉布の歴史や技法、職人について美しいカラー写真とともに紹介しています。

『沖縄空手道の歴史』

新垣清/著 原書房 2011年
琉球王国の軍政や薩摩支配下での禁武の歴史も交え、空手の元祖ともいわれる琉球武術の歴史や名人に関する事柄を紹介しています。

『沖縄ことばイラストブック』

山海堂 2007年
沖縄方言(うちなーぐち)のさまざまな単語をイラストつきで紹介しています。中国語由来の言葉や伝統行事に関することまでミニ知識もいっぱいです。

『大琉球料理帖』

高木凛/著 新潮社 2009年
琉球王朝時代に記された食医学書「御膳本草」(1832(天保3)年)の記述を基に宮廷料理を再現したものです。

『おじぃおばぁが食べてきた沖縄の元気料理』

西大八重子/著 日東書院 2008年
庶民料理の本です。ゴーヤーやモズクなど本土でも手に入りやすくなった食材から、田芋や青パパイヤといった沖縄食材までさまざまな材料を使った長寿レシピが紹介されています。

『藁算 琉球王朝時代の数の記録法』

栗田文子/著 慶友社 2005年
琉球王朝時代、読み書き算盤のできない庶民の数の記録法として、藁やアダンなどの繊維を結ぶ藁算(わらざん)がありました。また島独自の数字記号も存在していました。
この資料では、実際に藁を編んだ写真つきで藁算を紹介しています。

『沖縄舞踊の歴史』

矢野輝雄/著 築地書館 1988年
琉球王朝において楽器演奏と舞踊は士族の教養であり、将軍の代替わりごとに遣わされた「江戸上がり」などにもその記録が残されています。
この本では神に捧げる舞の時代から三線の伝来、現代の創作舞踊まで、沖縄舞踊について紹介しています。

『図説琉球の伝統工芸』

河出書房新社 2002年
人間国宝金城次郎に代表されるやちむん(陶芸)や戦後に発展した琉球ガラス、石造物としての亀甲墓、琉球漆器など沖縄の伝統工芸の数々を紹介した本です。

『琉球ガーデンBOOK』

比嘉淳子/著 ボーダーインク 2005年
生垣に使える木、虫よけや食材になる植物など、さまざまな角度から沖縄の代表的な植物での庭づくり、室内グリーン飾りを提唱しています。

沖縄戦(太平洋戦争)

国内で唯一住民を巻き込んだ地上戦となった沖縄戦について、生存者の証言や写真資料で迫ります。
けっして忘れてはいけない戦争の歴史です。

『沖縄戦 —沖縄を学ぶ100冊』

100冊刊行委員会/編 勁草書房 2007年
学校にそろえておきたい本を中心に、体験記・文学作品・写真記録などジャンル別に解説紹介をした資料です。

『ドキュメント沖縄 1945』

玉木研二/著 藤原書店 2005年
1945(昭和20)年4月1日の沖縄本島上陸から6月23日の司令官自決まで日を追って沖縄戦を証言と写真でつづったドキュメントです。

『ひめゆりの塔をめぐる人々の手記』

仲宗根政善/著 角川書店 1995年
学徒動員で沖縄戦に従事した300名の女生徒たちのうち生き残ったわずか100名ほどの手記を時系列順に並べた資料です。

沖縄の抱える問題

軍用機の騒音や墜落、米兵による事件など、本島の20%近くが軍用基地となっている沖縄の抱える問題は今も解決されていません。

『基地はなぜ沖縄に集中しているのか』

NHK取材班/著 NHK出版 2011年
1950年代から現代までの沖縄米軍基地の変遷、政府の対応、基地に生活の糧を依存する住民の声もあわせて基地問題を取り上げた資料です。

『墜 沖縄・大学占領の一週間』

白川タクト/著 新日本出版社 2007年
2004(平成16)年夏、沖縄の私立沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落し、その後一週間にわたって現場付近がアメリカ軍によって占拠された事件のレポートです。
ルビが多くふってあり、中学生でも読めるようになっています。

『「沖縄問題」とは何か 「琉球処分」から基地問題まで』

藤原書店 2011年
かつては独立国だった沖縄に、基地問題以前からある日本との摩擦をさまざまな論者が語った本です。

『こだわりの眼 写真で考える沖縄戦後史』

沖縄タイムス社 1992年
沖縄復帰20周年を記念して刊行された写真集です。
米兵の訓練風景、日常の風景、汚れた海の中、戦争犠牲者の遺骨などを映した多くの写真家の作品が集められています。

文学作品の中の沖縄

琉球国の歴史や戦争の悲しみを描いた小説をご紹介します。

『小説 琉球処分』

大城立裕/著 講談社 2010年
清国と薩摩藩の両方に属していた独立国家「琉球」の帰属について明治期に行われた「琉球処分」を描いた小説です。
1959(昭和24)年の新聞掲載作品が1972(昭和47)年の沖縄返還で注目され、昨今の沖縄問題を機に新たに文庫化されました。

『運命の人』

山崎豊子/著 文藝春秋 2009年
1971(昭和46)年、沖縄の返還に際して密約が行われていると記事にした特ダネ記者が訴えられた“沖縄返還密約事件”を基にした物語です。
今年2012(平成24)年にはテレビドラマ化もされました。主人公の父親が働く市場の撮影は成田市の卸売市場で行われたものです。

『琉球の風』

陳舜臣/著 講談社 1992年
『琉球の風』 陳舜臣/著 講談社 1992年 1巻4-06-206030-2 2巻4-06-206031-0 3巻4-06-206032-9
薩摩藩による侵攻、明国からの援軍は来るのか。苦悩する琉球王国を描いた小説です。
1993(平成5)年に大河ドラマにもなりました。

『対馬丸』

大城立裕/著 理論社 2005年
第二次大戦の最中、沖縄から出発した学童疎開船・対馬丸がアメリカ潜水艦の魚雷攻撃で沈没し、800名近くの児童が犠牲になりました。生き残った生徒も軍によって黙秘を強いられるなど、心に残った傷は深いものでした。
那覇市の中心部近くには対馬丸記念館があり、平和について考える場を提供しています。
この本は資料と聞き取り調査から再現した物語となっています。

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