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2011年度展示情報一覧
夢をかなえた人・自分らしく生きた人

夢をかなえた人・自分らしく生きた人 ‐大せんぱいの生き方に学ぼう‐

最終更新日 2017年05月25日

展示期間 : 09月から10月

展示場所 : 本館児童展示


展示ポスター
小さいころからの夢をあきらめずに実現した人、偉大な発明や発見をした人、過酷な状況の中で生き抜いた人、信念をつらぬいて強く生きた人、歴史上の有名な人物からあまり知られていない人まで、人生の大せんぱいの生き方を描いた本をご紹介します。
最近では、絵本の形式の伝記で、大人でも読みごたえのある内容のものが増えています。また、写真やイラストをたくさん使った、ビジュアルでわかりやすい内容の本もあります。もちろん、昔ながらの本格的な伝記も健在です。楽しんで読んでいただける伝記をたくさん集めてみました。

展示関連情報

絵本で読む伝記

『生命の樹 チャールズ・ダーウィンの生涯』

ピーター・シス/文・絵 徳間書店 2005年
「進化論」を発表したチャールズ・ダーウィンは、見たものすべてを文章でこまかく記録しつづけました。彼の日記や手紙、航海日誌の緻密でいきいきとした記述の抜粋と、ピーター・シスの繊細で緻密に描きこまれた美しい絵がいっしょになって、すばらしい絵本になりました。ビーグル号の航海と行く先々のようす、ガラパゴス諸島のめずらしい生きものたち、「種の起源」の執筆と発表、その後の研究生活など、博物学者ダーウィンの生涯があざやかによみがえります。
※ダーウィンの伝記はこの絵本もおすすめです。

『ダーウィン 日記と手紙にかくされた偉大な科学者の努力と夢』

アリス・B.マクギンティ/文 メアリー・アゼアリアン/絵 BL出版 2009年

『アンネ・フランク 絵本』

ジョゼフィーン・プール/文 アンジェラ・バレット/絵 あすなろ書房 2005年
1929年にドイツのフランクフルトで生まれたアンネは、どこの学校にでもいるようなふつうの女の子でした。第一次世界大戦で負けたドイツでは、人々は貧しく不満はつのるばかりで、時代はユダヤ人にとって恐ろしい方向へ変わりはじめます。ユダヤ系ドイツ人のアンネの一家は安全のためにオランダのアムステルダムに移り住みますが、やがて、ドイツがオランダに侵攻してきます。「アンネの日記」はどのようにして書かれたのでしょうか?アンネの足跡を、おさえた色調の美しい絵で描きだします。

『ローザ』

ニッキ・ジョヴァンニ/文 ブライアン・コリアー/絵 光村教育図書 2007年
1955年12月1日、ローザ・パークスは仕事を終えて、バスに乗りました。そのころのバスは、前に白人、うしろに黒人がすわり、中間にある席はどちらがすわってもいいことになっていました。ローザは中間の席にすわりましたが、バスの運転手が「席を白人にゆずりなさい」とどなりました。でも、ほかの黒人たちがこんざつしたうしろの方へ移動していっても、ローザはすわりつづけました。まちがったことに、したがうつもりはなかったのです。ローザのしずかな勇気ある決断が、アメリカの社会を大きく変えた公民権運動のきっかけになりました。力強い絵と淡々としたしずかなことばが感動的な絵本です。

『雪の写真家ベントレー』

ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン/作 メアリー・アゼアリアン/絵 BL出版 1999年
アメリカのバーモント州、豪雪地帯の村ジェリコで生まれたベントレーは、雪が大好きな少年でした。母からもらった古い顕微鏡で雪の結晶を観察し、そのこまやかな美しい姿と、同じ形のものがひとつもないことにおどろきます。16歳の時、両親を説得して顕微鏡つきのカメラを手に入れ、失敗をくりかえしながら雪の結晶の写真を撮りはじめます。やがて、たくさんの大学がベントレーの映写機用のスライドを買いもとめ、画家やデザイナーは作品の参考にベントレーの写真を使うようになりました。50年にわたって、くふうをこらしながら撮り続けた雪の結晶の写真集が出版されたのはベントレーが66歳のときでした。コールデコット賞を受賞した美しい絵本です。

『レイチェル 海と自然を愛したレイチェル・カーソンの物語』

エイミー・エアリク/文 ウェンデル・マイナー/絵 BL出版 2005年
レイチェルは末っ子で、少しかわっていましたが、かしこい子でした。毎日かあさんと森を散歩し、いっしょに本を読み、自然について調べました。小説家をめざして大学に進みますが、生物学を勉強して、海洋生物学の研究の仕事をこころざします。家族の生活を支えるために漁業局の仕事をしながら、自然についての本を書き始めます。『われらをめぐる海』がベストセラーになり、作家として成功したレイチェルは、メイン州に小さな別荘を建てました。本を書くかたわら、別荘のそばの海岸で海の生物を観察したり、近くの森が開発で失われるのを見て心をいためていました。友人からの手紙で、蚊を退治するための殺虫剤DDTの空中散布で鳥や虫が大量に死んでしまったと知ったレイチェルは、農薬の危険についての本を書き始めました。たくさんの証拠を集め、事実を調べて、4年もの月日をかけて『沈黙の春』を完成させました。この本の出版で、今日の環境保護運動が始まったのです。

『海時計職人ジョン・ハリソン 船旅を変えたひとりの男の物語』

ルイーズ・ボーデン/文 エリック・ブレグバッド/絵 あすなろ書房 2005年

『星の使者 ガリレオ ガリレイ』

ピーター・シス/文・絵 徳間書店 1997年

『モーツァルトくん、あ・そ・ぼ!』

ピーター・シス/作・絵 徳間書店 2007年

『夢を追いかけろ クリストファー・コロンブスの物語』

ピーター・シス/作 ほるぷ出版 1992年

『ジャンヌ・ダルク伝 絵本』

ジョゼフィーン・プール/文 アンジェラ・バレット/絵 あすなろ書房 2004年

『ウォーターハウス・ホーキンズの恐竜』

バーバラ・ケアリー/文 ブライアン・セルズニック/絵 光村教育図書 2003年

『おちびのネル ファースト・レディーになった女の子』

バーバラ・クーニー/作 ほるぷ出版 1997年

ビジュアルな伝記

『戦争をくぐりぬけたおさるのジョージ 作者レイ夫妻の長い旅』

ルイーズ・ボーデン/文 アラン・ドラモンド/絵 岩波書店 2006年
『おさるのジョージ』シリーズの作者、ハンスとマーガレットのレイ夫妻は、ドイツのハンブルクで生まれました。ハンスは絵を描くのが好きで、学校では5ヶ国語を学びました。マーガレットは豊かであたたかい家庭に育ち、芸術家をめざして美術と写真を学びました。ふたりの芸術家はブラジルのリオデジャネイロでいっしょに仕事をし、結婚しました。パリで4年間をすごし、ふたりで子どもの絵本の仕事をはじめました。しかし、ヨーロッパで戦争がはじまり、ドイツ軍がパリに向かって進軍してきて、ふたりはパリをでてブラジルからアメリカに行こうと決心します。もう汽車もなく、自転車2台分の部品をようやく手に入れて自分で組み立て、パリを脱出する何千という人々の流れに加わったのです。荷物は、着がえと食べ物を少しと大事な原稿だけでした。その中には「おさるのジョージ」も入っていました。当時の写真や手紙、手帳とすばらしいさし絵で、ふたりがアメリカにたどり着くまでの4か月という長く困難な旅のようすがいきいきとよみがえります。

「ビジュアル版伝記シリーズ」 BL出版

B5サイズの少し大きめのページに、たくさんの絵や図が入り、文章も見出しごとに見開きでまとまっていて、わかりやすく工夫されています。

『アイザック・ニュートン すべてを変えた科学者』

フィリップ・スティール/著 2008年

『マリー・キュリー 科学の流れを変えた女性』

フィリップ・スティール/著 2008年

『モーツァルト 音楽で世界を変えた天才』

マーカス・ウィークス/著 2008年

『マルコ・ポーロ 世界を旅した男』

ニック・マカーティ/著 2009年

『ミケランジェロ 神と謳われた彫刻家』

フィリップ・ウィルキンソン/著 2009年

『ガリレオ 星空を「宇宙」に変えた科学者』

フィリップ・スティール/著 2009年

『ガンディー インドを独立に導いた建国の父』

フィリップ・ウィルキンソン/著 2009年

『レオナルド・ダ・ヴィンチ 時代を超えた天才』

ジョン・フィリップス/著 2009年

「絵で読む教科書に出てくる世界の科学者たち」 汐文社

全ページにたくさんの楽しいイラスト入りの伝記です。科学者たちがどんな発見や研究をしたか、どんな一生を送ったか、その時代の人々や社会のようすがわかりやすく書かれています。

『エディソン 夢の発明王』

杉山薫里/文・絵 2007年

『ダーウィン 進化の海へ』

杉山薫里/文・絵 2008年

『レイチェル 自然と共に』

杉山薫里/文・絵 2008年

『ガリレオ 真実はひとつ』

後藤幹/文 杉山薫里/絵 2009年

『パスツール 見えない敵と戦う』

塩瀬治/文 杉山薫里/絵 2009年

「世界を変えた科学者」 スティーヴ・パーカー/著 岩波書店 1995年

発見や研究で、世界を変えた科学者たちの生涯を簡潔にまとめています。写真や図を使って、研究内容や理論などを、できるだけわかりやすく説明してくれます。

「天才!?科学者シリーズ」 ルカ・ノヴェッリ/文・絵 岩崎書店 2009年

はたして彼らは天才だったのか?世界の科学者たち本人が語る形式で、ゆかいなイラストを交えて、読みやすい文章で書かれた伝記です。

本格的な伝記

『天と地を測った男 伊能忠敬』

岡崎ひでたか/作 くもん出版 2003年
日本全国の地図の測量で有名な伊能忠敬は、幼いころから星を見るのが好きで、算法が大の得意でした。佐原の伊能家の当主となった忠敬は、算法の学問をあきらめて家業に全力をつくし、村の名主として天明の大飢饉から村と村民を救います。49歳で隠居を許され、ようやく好きな学問に打ち込めることになった忠敬は、江戸で幕府の天文方の高橋至時(よしとき)に弟子入りして天文暦学を学び、天体観測に夢中になります。緯度1度分の子午線の長さを測って地球の大きさを知るという、当時の学者が最も知りたがっていた問題に挑戦するため、蝦夷地の測量を幕府に願い出ます。許可をえて、忠敬が測量隊をひきいて蝦夷地へ向かったのは、1800年のことでした。その後の生涯はすべて測量にささげ、一歩一歩実際に歩いて測る「歩測」と天体観測で、現在の地図と変わらないほど正確な地図を作り上げました。

『夢を掘りあてた人 トロイアを発掘したシュリーマン』

ヴィーゼ/作 岩波書店 1969年
1829年のクリスマスにシュリーマンはその後の一生を決定することになる贈り物をもらいました。「子どものための世界歴史」という1冊の本、燃えさかるトロイアを描いたさし絵を見ながら、父親からトロイア滅亡のはなしをきいた7歳の少年は、いつかトロイアを発掘するという夢を抱きます。食料雑貨店の見習い小僧、船室給仕、商会の事務所小使を経て、英語、フランス語、オランダ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語を独学でマスターし、24歳で商会の代理人としてペテルスブルグへ派遣されます。成功してすぐれた大商人となってからも、おどろくべき勤勉さで働きつづけ、成功を重ねて財産をふやしつづけました。ついに夢の実現に必要なお金を手にしたシュリーマンは、念願のギリシア語を学び、1863年42歳で学者になるために再出発します。世界中を旅し、考古学に打ち込み、ついにトロイアを掘りあてました。

『キュリー夫人』

エリナー・ドーリイ/作 岩波書店 1974年
マリーは4歳で字をおぼえ、まわりのだれよりもかしこい女の子でした。ロシア占領下のポーランドで教育者の両親のもとに生まれ、幼くして母を亡くし、貧しい生活を送ります。16歳で学校を卒業し、パリの大学への進学を夢見ますが、家庭教師として働いて、姉のパリ留学を助けて仕送りし、自分はワルシャワで老いた父の世話を続けます。そんな時に科学の実験と出会ったマリーは、自分の生涯の仕事と直感し、24歳でついにパリへ旅立ちます。パリの自由さは、ロシア語を強制されて暮らしたポーランドとは何と違っていたことでしょう。屋根裏の安い部屋に暮らし、食べるものも食べずに勉強に勉強を続け、マリーは幸福でした。大学でも頭角を現し、やがて若い物理学者キュリーと出会い、結婚します。その後も不屈の研究生活を続け、ついにラジウムを発見し、ノーベル物理学賞とノーベル化学賞を受賞しました。

『勝海舟と明治維新』

板倉聖宣/著 仮説社 2006年
江戸城無血開城を実現した勝海舟とはどんな人だったのでしょうか?勝海舟は身分の低い御家人の家に生まれ、剣術修行に打ちこみます。16歳で家督を継いでも無役で、剣術を教えたりしていましたが、その後、オランダ語と蘭学を本格的に学びはじめます。しかし、当時、幕臣で蘭学を学んだ人はほとんどおらず、危険人物扱いされて自宅謹慎処分を受けます。謹慎中はひたすら本を読み、夜中に抜け出してオランダ語を学びました。辞書が高価で買えず、1年かけて写しとったり、苦労して学ぶ中で、裕福な商人の支援者に出会います。蝦夷地の商人渋田利右衛門や、ヤマサ醤油の浜口儀兵衛など、当時江戸でも有名だった商人たちに注目され、資金援助を受けて、西洋兵学や蘭学の研究を続けることができました。兵学者佐久間象山に弟子入りし、自分でも西洋兵学塾を開きます。そして1853年、ペリーが来航し、日本は新しい時代に突入します。
勝海舟が取り組んだ明治維新という大きな社会の変革を正しく理解できるように、変革されることになった江戸時代の社会について、初歩的なことからわかりやすく書かれています。中学生以上におすすめです。

『まず歩きだそう 女性物理学者として生きる』

米沢富美子/著 岩波書店 2009年
アモルファス(非結晶物質)研究の第一人者で、女性で初めて日本物理学会の会長に選ばれた米沢さんが、子ども時代から物理学者になるまでと、自分の研究にについて語ります。米沢さんは、小さい時から好奇心が強く、4歳で蓄音機を分解してこわしたり、「なぜ?」を連発して宇宙の果てに思いをはせる子どもでした。幼稚園時代には、「三角形の内角の和は二直角」の証明を理解し、こんなに面白いものが世の中にあるのかと、雷に打たれたような衝撃を受けたそうです。中学、高校では数学と理科に熱中し、湯川秀樹博士が在職中だった京都大学理学部に進学し、理論物理学の研究の道に進みました。女性の研究者がまだ珍しい時代に、さまざまな困難を持ち前の行動力で乗り越えた米沢さんから、研究者をめざす若者に熱いメッセージを贈ります。