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2018年度展示情報一覧
LGBT‐セクシュアル・マイノリティを知る‐

LGBT‐セクシュアル・マイノリティを知る‐

最終更新日 2018年06月30日

展示期間 : 05月から06月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター
みなさんはLGBTという言葉を知っていますか。
L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシャル)、T(トランスジェンダー)の頭文字を取った、セクシュアル・マイノリティの人々が自らの立場を前向きに表現するための言葉です。
2015(平成27)年の電通ダイバーシティ・ラボの調査では、日本人の約13人に1人がLGBTなどのセクシュアル・マイノリティであるという結果が出ています。
2018(平成30)年4月28(土)から5月6日(日)には日本のセクシュアル・マイノリティの差別解消、自分らしく生きられる社会の確立を目標としたイベント「東京レインボープライド」が開催されます。また、同性カップルを公的なパートナーと認める「同性パートナーシップ条例」を導入する自治体も出てきています。

「性別ってなんだろう」「人を好きになるってなんだろう」

私たちが考え、視野を少し広げれば、人の性の多様性を認められる世界が実現するかもしれません。 今回の展示では、LGBTの概要がわかる入門書、ノンフィクション、エッセイ、小説など、LGBTに関する本を集めてみました。

展示関連情報

LGBTを知るために

近年、LGBTという言葉が浸透してきました。しかし、その意味を正確に理解している人はまだそんなに多くないのではないでしょうか。LGBTについて知るための手がかりになる本を紹介します。

『LGBTQを知っていますか?』

日高庸晴/監著 少年写真新聞社 2015年
LGBTQについてわかりやすく解説した入門書です。性的指向(好きになる姓)や性自認(心の性)といったLGBTQを理解する上で必要な基礎知識や、当事者の体験談などを豊富に紹介しています。Q(クエスチョニング。性的指向や性自認が定まっていない人)といった、LGBT以外のセクシュアル・マイノリティについても言及されています。学校現場で働く人に向けた章も設けてあり、LGBTQの子どもとの接し方についても詳しく書かれています。

『13歳から知っておきたいLGBT+』

アシュリー・マーデル/著 須川綾子/訳 ダイヤモンド社 2017年
生物学的性、ジェンダー、性的指向や恋愛の指向など、複数の角度からセクシュアル・マイノリティを解説しています。
著者はセクシュアリティやジェンダーを白黒はっきりしない曖昧で、一箇所に固定されていない連続的なものとし、ニュートロワ(ジェンダーという概念が中立、または存在しない人)やマルチジェンダー(複数のジェンダーを有する人)、アセクシャル(他者に対して性的欲求や恋愛感情を持たない人)など、様々なセクシュアル・マイノリティを紹介しています。
約40人の当事者の声も掲載。巻末には用語解説集もあり、セクシュアル・マイノリティを深くわかりやすく知ることのできる1冊です。

『よくわかるLGBT』

藤井ひろみ/監修 PHP研究所 2017年
「LGBTの友だちとのつきあい方」や「自分がLGBTだと自覚した時にどうすればいいか」など、子どもに向けて書かれたLGBTの入門書です。
LGBT関連の法律や政府・企業の取組み、相談窓口のリスト、世界におけるLGBTの現状なども紹介しており、LGBTに関する幅広い知識が簡潔にまとめてあります。

『性同一性障害って何?』

野宮亜紀/著 緑風出版 2011年
性同一性障害について、Q&A形式で52個の質問が取り上げられています。基本事項から、法律や生活・仕事に関することなど幅広く解説されています。専門用語やわかりにくい言葉には、注釈や図解がすぐそばにあるため読みすすめやすいです。

『はじめてのジェンダー論』

加藤秀一/著 有斐閣 2017年
ジェンダーとは、社会の実践に基づき、人間の性を「男」か「女」に分類する社会的ルールです。この言葉は、女性の地位向上やセクシュアル・マイノリティの解放と深い関係があります。本書では、ジェンダーによる様々な事象を解説しています。各章の始めにキーワードの記載があり、章末には設問と読書案内があるので、ジェンダーについてより理解を深めることができます。

エッセイ・ノンフィクション

セクシュアル・マイノリティの人々の中には、自身のセクシュアリティを受け止められずに葛藤する人が多くいます。ですが、理解し協力してくれる人を見つけ、「自分らしく」生きていこうとする姿勢は、悩みをもつ人に勇気を与えてくれます。ここではセクシュアル・マイノリティの人々を取り上げたノンフィクションや、彼らが書いたエッセイを紹介します。

『ボクの彼氏はどこにいる?』

石川大我/著 講談社 2002年
自分がゲイであることに悩み、周囲にひた隠しにしていた著者。女の子が好きなフリをしたり、恋心を悟られないよう注意したり…。しかし、インターネットを通じてたくさんの仲間と出会うことで、自分の性的指向を認められるようになります。
文庫版で新たに加筆された章では、両親へのカミングアウト(自らの性的指向を周囲の人間に打ち明けること)、本の出版後の反響や著者のその後の活動についても書かれています。

『カミングアウト・レターズ』

RYOJI・砂川秀樹/編 太郎次郎社エディタス 2007年
同性愛者であることを親や教師にカミングアウトした人たちが、彼らに宛てた手紙と、その手紙に対する返事を収録した往復書簡集です。打ち明ける側の気持ち、打ち明けられた側の気持ちが、手紙という形式で丁寧に綴られています。

『境界を生きる』

毎日新聞「境界を生きる」取材班/著 毎日新聞社 2013年
性分化疾患と性同一性障害の当事者や関係者への取材をまとめた1冊です。
性分化疾患とは、染色体や性腺・性器といった、男女のどちらかに統一される身体の構造が、統一されていなかったり曖昧な状態であったりする先天的疾患の総称です。インターセックスとも呼ばれ、ターナー症候群や先天性副腎過形成など70種類以上の疾患があるとされています。
産まれて間もない我が子の性別の選択を迫られる母親や、成長するにつれ性別への違和感を募らせる子ども達など、性別のはざまを生きる人達と、その家族がぶつかる問題を取り上げています。

『リオとタケル』

中村安希/著 集英社インターナショナル 2014年
アメリカ演劇界で活躍するゲイカップルであるリオとタケルの人生を追ったノンフィクションです。リオは著者の大学時代の恩師で、リオのパートナーのタケルは日本人。リオやタケル、彼らの関係者にインタビューを行い、30年以上生活を共にする二人のこれまでをたどることで、多種多様なセクシュアリティのあり方が見えてきます。

『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』

トゥーラ・カルヤライネン/著 河出書房新社 2014年
ムーミンの生みの親として知られるトーベ・ヤンソンは、晩年女性のパートナーを持っていました。また、一方で彼女はその生涯の中で男性のパートナーを持ったこともありました。芸術家として、一人の人として、旧来の価値観に捉われず、自由を大切にしていた彼女の出生から晩年までの姿を丁寧に描いた評伝です。

『変えてゆく勇気』

上川あや/著 岩波書店 2007年
性同一性障害であることを公表し、世田谷区議へと当選した著者。自身が男性から女性へと移行する際に経験した社会生活での障害が語られています。セクシュアル・マイノリティ以外の社会的マイノリティの存在にもスポットを当て、声をあげることの大切さ、また、それを受け止め、共生できる社会のあり方について綴った1冊です。

『恋の相手は女の子』

室井舞花/著 岩波書店 2016年
女の子に恋するのを自分でも認められないし、家族や友だちにも相談できない…。性や進路に悩み続けた末に、家族の反対を押し切って参加した世界一周旅行は、世界を変える出会いや経験に溢れていました。同性を性愛の対象とする自身を嫌悪し、認められずに悩んだ10代の葛藤から、生涯のパートナーとの結婚式の経験を綴っています。また、自身以外のセクシュアル・マイノリティの当事者のエピソードを交えながら、これからの社会への希望や思いが語られています。

小説

時代や形を問わず、性は小説のテーマのひとつでした。時に、現実よりも寛容に広がる物語の世界は、私たちに多種多様な価値観を教えてくれます。

『ミドリのミ』

吉川トリコ/著 講談社 2014年
小学生のミドリは両親が別居中。父親の広と、広の恋人の源三と三人で暮らしています。自分に愛情を注いでくれる源三をミドリは慕い、三人での生活に幸福を覚えますが、同級生や周囲の大人から向けられる奇異の視線や、離れて暮らす母親の貴美子ことも気になって…。
ミドリや広、貴美子や源三と様々な登場人物の視点で話が進み、幸福な家族の形とは何かと考えさせられます。

『氷の仮面』

塩田武士/著 新潮社 2014年
身体は男性、心は女性。性同一性障害の主人公の数十年を描いた物語です。好きな服を着たり、恋をしたりといった、当たり前のことが難しい。性別の不一致や差別に傷つき、苦悩しながらも必死に生きる主人公の姿とともに、性同一性障害特例法の制定など、日本社会の変化も書かれています。

『ヰタ・セクスアリス』

森鴎外/著
哲学講師の金井は、自分が性に対して一般より淡白であることに違和感を覚えていました。そしてある日、自分の性に関する歴史を書いてみようと思いつきます。幼少時代から思春期における性の体験を描いた自伝的小説です。

『裏ヴァージョン』

松浦理英子/著 筑摩書房 2000年
40代にして職も家も失った「私」は、高校の同級生の家に転がり込みます。一軒家で一人暮らしをする彼女は、再就職を急かすわけでもないけれど、学生の頃のように仲良く暮らすわけでもない。唯一のコミュニケーションは、家賃代わりに書かれる短編小説と、それに対するコメントの入ったフロッピーディスクのやりとりだけでした。家族でも、恋人でもない友人へ向ける執着や嫉妬、愛情を新しい手法で描いた1冊です。

『女子的生活』

坂木司/著 新潮社 2016年
身体は男だけど、心は女。そして、女の子が好き。トランスジェンダーのみきは上京し、アパレル業界で働いています。頭が良くて、意地悪が上手で、笑いながら泣いて、寂しがりながら一人で歩く…。そんな複雑な「女子的生活」を時に傷つきながらも満喫しているみきの姿を描いたガールズストーリーです。2018(平成30)年にドラマ化されました。

生活・法律

学校、職場、人間関係、パートナーとの同居など、LGBTの人たちが日々の生活の中で向き合う問題は数多くあります。ここでは、LGBTの人たちがより良い生活を送るために必要な環境づくりに役立つ本や、LGBTに関する法律・行政制度を取り上げた本を紹介します。

『職場のLGBT読本』

柳沢正和ほか/著 実務教育出版 2015年

『LGBT法律相談対応ガイド』

東京弁護士会LGBT法務研究部/著 第一法規 2017年

『LGBTサポートブック』

はたちさこほか/編著 保育社 2016年

『LGBTの子どもに寄り添うための本』

ダニエル・オウェンズ=リードほか/著 金成希/訳 白桃書房 2016年

『にじ色ライフプランニング入門』

永易至文/著 にじ色ライフプランニング情報センター 2012年

『性同一性障害と戸籍』

針間克己ほか/著 緑風出版 2013年

『同性パートナーシップ制度』

棚村政行ほか/編著 日本加除出版 2016年

『同性婚だれもが自由に結婚する権利』

同性婚人権救済弁護団/編 明石書店 2016年