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妖怪ブック

最終更新日 2017年05月25日

展示期間 : 01月から02月

展示場所 : 本館一般展示


子ども向けのアニメやゲームをきっかけに、大人も巻き込み、妖怪ブームが巻き起こっています。この妖怪人気は過去にも何度かありました。現在では畠中恵、京極夏彦などで人気の妖怪小説も、明治大正時代には小泉八雲や泉鏡花が精力的に発表しています。水木しげるのゲゲゲの鬼太郎をはじめとし、妖怪が出てくるマンガの数々は、子どもや大人を魅了してきました。古くは江戸時代にまでさかのぼるという妖怪人気、日本人は、なぜ妖怪に惹かれるのでしょう。もしかして、妖怪のしわざかな?妖怪の歴史や図鑑、妖怪の出てくる小説など、妖怪に関する本を紹介します。

展示ポスター

展示関連情報

妖怪

「妖怪」とは、どんなものなのでしょうか。古くから語り継がれ恐れられ、けれど深く愛され続けている妖怪たちを紹介し、解説をしている本を集めました。

『妖怪談義 新訂』

柳田国夫/著 小松和彦/校注 角川学芸出版 2013年
河童や小豆洗い、天狗といった有名な妖怪から、聞き慣れない妖怪まで民俗学的側面から説き明かします。柳田国夫の妖怪にまつわる論文集に詳細な注釈、解釈がついています。

『千葉県妖怪奇異史談』

荒川法勝/編 暁印書館 1997年
千葉県で語り継がれてきた妖怪や怨霊などの、不可思議な伝承を収集しています。

『大人のための妖怪と鬼の昔ばなし』

綜合図書 2014年
幼い頃に親しんだ昔話の人気キャストは妖怪や鬼でした。大人になった今、背景の知識と共に読み直すと、新鮮かつ新たな魅力を発見できます。

『井上円了・妖怪学全集』

井上円了/著 柏書房 1999年
妖怪学の創始者といわれる井上円了の著作集です。

目で見る妖怪の世界

妖怪を見たことはありますか?妖怪画は平安時代から描かれています。昔の人は、どんな妖怪の姿を思い描いていたのでしょうか。

『妖怪萬画』

青幻舎 2012年
絵巻物にはたくさんの妖怪が登場しています。平安時代から江戸時代までに描かれた、妖怪の登場する絵巻を紹介します。

『妖怪図譜 江戸の化け物大集合』

安村敏信/監修 平凡社 2014年
歌麿や北斎などの妖怪画をはじめ、化物絵巻や若冲などのなごみ系化け物の名品を紹介します。

『妖怪画談』

水木しげる/著 岩波書店 2002年
『ゲゲゲの鬼太郎』でおなじみの水木しげるが、ユーモアあふれるイラストともに妖怪を一つ一つ丁寧に紹介します。

『百鬼夜行の世界』

人間文化研究機構/監修 2009年
ぞろぞろとおぞましい妖怪が列を成して歩く百鬼夜行。百鬼夜行を描いた絵巻についての解説が丁寧に書かれています。

『身近な妖怪ハンドブック』

川村易/著 文一総合出版 2012年
カラフルなイラストで、たくさんの妖怪が載っています。妖怪を探しに行きたい人にピッタリのハンドブックです。

明治大正時代の怪談

明治から大正にかけて、文豪たちが怪談を精力的に書いていました。また誘い合って、怪談会に興じていたという記録もあります。その怪談会からも、数多くの名作が生まれました。

『遠野物語』

柳田国男/著 岩波書店 1993年
遠野地方にまつわる民話集ですが、そのほとんどが妖怪話や怪談話で占められています。

『青蛙堂鬼談』

岡本綺堂/著 中央公論新社 2012年
青蛙堂の主人が催した怪談会での物語を書きとめたという連作の形式をとったもの。

『夢十夜』

夏目漱石/著 岩波書店 2007年
「こんな夢を見た」という書き出しで始まる物語集。なかでも「第三夜」は、その後の作家たちに大きな影響を与えたと言われます。

小説で読む妖怪

妖怪小説という言葉があるほど、妖怪の出てくるミステリーや時代小説が多く出版されています。心優しい癒し妖怪から、恐ろしい怨霊まで、妖怪たちが現代文学の世界をかっぽしています。

『しゃばけ』

畠中恵/著 新潮社 2001年
身体は弱いが心優しい江戸の大店の若だんな一太郎が、妖怪たちと奇怪な事件を解決していくファンタジー時代小説。表紙を飾る柴田ゆうのイラストが印象的です。

『かたづの!』

中島京子/著 集英社 2014年
遠野にかつて実在した、江戸時代唯一の女大名・清心尼。彼女を題材に、死んだ後も「片角」として彼女を手助けする一本角のカモシカや、河童などの妖怪たちをからめつつ、夫や息子の死に関わる謀略に立ち向かっていくさまを描いた、波乱万丈の一代記です。

『有頂天家族』

森見登美彦/著 幻冬舎 2007年
狸や天狗が人間と共に暮らす京都を舞台に、有名な狸の一族「下鴨家」が巻き起こす家族愛溢れる物語です。

『山姥』

坂東真砂子/著 新潮社 1996年
雪深い山村を舞台に巻き起こる情念と伝説の壮絶な悲劇です。女は、なぜ山姥になっていったのか。

『巷説百物語』

京極夏彦/著 角川書店 1999年
江戸を舞台に、妖怪の仕業として、晴らせぬ恨みを解決する裏家業の物語です。

『あやし 怪』

宮部みゆき/著 角川書店 2000年
江戸情緒の溢れる怪奇ミステリー集。

子どもや孫と楽しむ

妖怪はおそろしいものだけではなく、人間を助けたり守ってくれる妖怪もいるのです。子どもと一緒に楽しめる、怖すぎない挿絵の本を紹介します。

『妖怪調査ファイル』

宮本幸枝/著 実業之日本社 2014年
妖怪の特徴と能力をまとめた空想科学図鑑。妖怪の能力や生態をわかりやすく解説しています。

『怪しくゆかいな妖怪穴』

村上健司/文 毎日新聞社 2011年

『妖怪百貨店別館』

村上健司/文 毎日新聞社 2013年
『毎日小学生新聞』に連載された「妖怪穴」の中から、よりすぐりの妖怪を集めた妖怪カタログです。妖怪を知れば知るほど、その面白さにはまります。 

『大天狗先生の秘妖怪学入門』

富安陽子/著 少年写真新聞社 2013年
大天狗先生が妖怪について教えてくれます。妖怪の歴史や妖怪の個性、妖怪封じの秘術は困ったときに使えるかもしれません。