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遷宮の年‐伊勢神宮と出雲大社‐

最終更新日 2017年05月25日

展示期間 : 09月から10月

展示場所 : 本館一般展示


展示ポスター

日本を代表する2つの神社が、今年揃って「遷宮」の年を迎えます。
「遷宮」というのは、簡単に言えば伊勢神宮で20年ごとに新しい社殿に御神体をうつすこと、また出雲大社で60年ごとに社殿を修造することを指します。
この2つの神社が同じ年に遷宮を行うのは1953(昭和28)年以来となります。出雲大社の本殿遷座の行事は5月に行われ、伊勢神宮では10月に遷御の儀が執り行われる予定です。

一定期間ごとに遷宮を行うことを式年遷宮と言うのですが、伊勢神宮で式年遷宮が始まったのが飛鳥時代の690年であり、以来戦乱などで中断の時期を はさみつつも現在に至るまで受け継がれています。ただし遷宮が行われる理由については、神の清らかな空間を保つためであるとか、職人技術の継承のためであ るなど、いくつか説があるようです。

そこで今回は、この遷宮に関することを始めとして、参詣地として大変人気のある伊勢神宮と出雲大社の歴史や背景、参詣のポイントなどを紹介した本を特集します。
それに加えて、昨今いわゆる「パワースポット」としても人気が改めて高まっている神社全般についても本を集めてみました。



展示関連情報

2大神社と遷宮

『図説日本人の源流をたどる! 伊勢神宮と出雲大社』

瀧音能之/監修 青春出版社 2010年
新書サイズですが、1冊で伊勢神宮と出雲大社両方について歴史・神話・背景などを網羅しています。たくさんの図入りで情報量も多く、2つの神社について概観するのにふさわしい入門書となっています。

『伊勢と出雲の神々』

皇學館大学/編 学生社 2010年
伊勢の神道研究の流れをひく皇學館大学が開催した伊勢神宮についての一連の講演会、および古代出雲歴史博物館と共同開催した両神社に関わる講演会を記録した本です。テーマごとに何人もの専門家の講演があり、結果として2神社の様々な側面を照らし出す興味深い資料になっています。

『神宮式年遷宮の歴史と祭儀』

中西正幸/著 大明堂 1995年
1冊まるごと「神宮」すなわち伊勢神宮の遷宮についての本で、内容は決定版と言えるべき詳しさです。古代にさかのぼる遷宮の歴史から、遷宮の祭儀の諸要素まで解説しています。

『伊勢神宮のこころ、式年遷宮の意味』

小堀邦夫/著 淡交社 2011年
こちらも、伊勢神宮の式年遷宮のことを中心に扱った本。前述の本ほどは専門的ではなく、より広く一般に向けての解説を意図して書かれています。概要をわかりやすく伝えるカラー写真と、専門用語を始めとしてふんだんに振られた読み仮名が理解を助けてくれます。

『出雲大社展 平成の大遷宮』

島根県立古代出雲歴史博物館/編集 ハーベスト出版 2013年
2011(平成23)年4月12日から6月16日まで島根県立古代出雲歴史博物館で行われた展示の図録です。出雲大社では60年ぶりに遷宮が行われ、5年にわたる修造事業を終えて今年の5月に本殿遷座祭が営まれました。この期間の展示では、意義深く貴重な品々が美しい写真で紹介されています。

伊勢神宮

『水と森の聖地、伊勢神宮』

稲田美織/著 小学館 2009年、2013年
自然に畏敬の念を持ち、自然とバランスを保ちながら暮らしてきた日本人のすがたが見えます。この長きにわたりここに存在することに神々しさを感じ、「ありがたい」という気持ちが湧き上がってくるようです。

『伊勢神宮のすべて 20年に1度の遷宮』

宝島社 2013年
式年遷宮の行事詳細を始めとして、伊勢神宮の四季や日本と神宮のかかわりなどを、ふんだんな写真で紹介しています。手軽かつ包括的なガイドブックとして、読み応えがあります。

『伊勢の神宮 祈りの心・祭りの日々日本人の原点回帰を求めて』

南里空海/著 世界文化社 2003年
「なにごとの おはしますかは しらねども かたじけなさに なみだこぼるる」(西行法師)と詠まれたほどの情景。そこに描かれる伊勢神宮の日常。そのひとつひとつを写真でもあらわすことで、ゆったりとしたときの流れを垣間見ることができます。

『「おかげまいり」と「ええじゃないか」』

藤谷俊雄/著 岩波書店 1993年
初版は1968(昭和43)年に刊行されました。「おかげまいり」とは近世日本において周期的に繰り返された、伊勢神宮への集団的な巡礼運動のことを指します。おもだった交通機関があるわけではないこの時代人々は何を求め、何のために参加したのでしょうか。

出雲大社

『出雲大社 ムスビを授かる、神話のふるさとへ』

中野晴生/写真 JTBパブリッシング 2012年
縁結びでも広く知られる出雲大社のガイドブックです。御本殿をはじめ境内の案内、関連神社の紹介、参拝の仕方など基本情報はもちろん遷宮についても書かれています。

『出雲大社』

千家尊統/著 学生社 2012年
出雲大社の祭祀を専修する千家(せんげ)の82代の千家尊統氏の随筆です。天照大神の第2子の天穂日命(アメノホヒノミコト)を始祖に今日まで連綿と宮司を務めてきたのはなぜなのか。独自の建造物や神秘的な祭祀についても語られています。

『出雲国風土記』

荻原千鶴/全訳注 講談社 1999年
現存する5国風土記のうちの唯一の完本です。古代出雲の人々の生活や土地の状況が記載されています。

神社を知る

『神社 日本古来の信仰、建築様式、参拝の作法がよくわかる』

三橋健/著 日東書院 2011年
全国の主要な神社を紹介すると共に、神社の歴史や建築のこと、正しい参拝の仕方など、知っておきたい神社のあれこれについて読みやすく解説されています。図解も豊富です。

『寺社建築の歴史図典』

前久夫/著 東京美術 2002年
元々は『社殿のみかた図典』という題で出版されていたものを改訂するに当たって、『仏教堂塔事典』『古建築のみかた図典』と合わせて1冊にしたものです。社殿の本殿・付属建物・鳥居の形式や由来、構造などについて、建築物としての観点から詳しく解説しています。読んでから訪れると、神社の建物をより興味深く眺めることができるでしょう。

『全国神社味詣 幸せをよぶ参道グルメガイド』

松本滋/著 丸善出版 2011年
神社にお参りする時に、神社そのものはもちろんですが、例えば伊勢神宮で言えば「赤福」のように、その神社ゆかりの食べ物を食べることも楽しみの一つです。参拝に合わせて、食物からもパワーをいただけそうです。

『神社に泊まる 日本全国癒しの宿坊ご案内』

畑中章宏/著 亜紀書房 2010年
いわゆる宿坊、つまりお寺に泊まることができる施設のことは知っていても、神社にも泊まれる場所があることは知らない方も多いのではないでしょうか。神社に泊まることは「参籠(さんろう)」と言うそうで、古来より泊りがけでお参りすることも多かったとか。神社の神域で泊まることは、きっと特別な体験になることでしょう。一度いらしてみてはいかがでしょうか。

関連web情報

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伊勢神宮の公式ホームページです。英語・中国語・韓国語のページもあります。

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こちらは出雲大社の公式ホームページです。周辺の観光場所へのリンクもあります。

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神社本庁は全国約8万社の神社を包括する組織です。「神道のいろは」についての解説ページもあります。